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2014年11月

2014年11月28日 (金)

幼児に試合は必要か?

私が所属する区の大会では「幼児の部」があります。
ただでさえ小さい子は可愛いですから、道衣を着ている姿はもっと可愛らしいです。

しかし、私は試合をさせる必要はない!
と思います。

リンクをした試合の動画は、再生回数も多く、沢山の方がシェアしました。
地元の区大会でも同様の光景が見られます。

しかし礼法、技、受け身、恐らくはルールも分かっていないでしょう。
これが試合という認識もないと思います。
そんな小さな子に試合をさせる意味があるのでしょうか?
可愛いがゆえに、周りの指導者・保護者の自己満足ではありませんか?

そもそも、必要な技術、作法を殆ど身につけていません。
これで競えますか?
もし仮に、もう少し体格差があって、礼とともに猛ダッシュ、突き飛ばされて頭でも打ったら事故になりかねません。
事故を目の当たりにして、子供達は柔道を続けるでしょうか?

試合をするのはもう少し、技術が身についてからでも充分だと思います。

例えば「投の形」の最初の浮落までやってはどうでしょうか。
まず礼法があり、崩し、そして受け身、これを受取交互に行います。
必要であれば、もう一つくらい得意技を入れてもいいでしょう。

そこまでやったら順位をつけず、参加賞として全員にメダルとか、新品の白帯を贈ってはどうでしょう。

まずはそこがハードルとなり、そこをクリアしてから次年度に試合をしても良いと思います。
いつか初段を受験するときも、この時の経験が「形」への抵抗感を和らげてくれるのではと思います。

柔道において勝ち負けは最重要項目ではありません。
まずは事故や怪我がないこと。
正しい受け身と礼法、それに加えて投技と固技を習得させる。
試合をさせることは簡単で盛り上がります。
これからは運営側、指導者も工夫する必要があると思います。

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2014年11月20日 (木)

抑え込みのコツ(スーパー横四方固)

ん私は度々「抑え込みが強烈」だとか「圧力が凄い」と言われる。
ウエイトトレーニングは全くやらない主義だが、
稽古で培った体力は平均以下ではないだろう、ある方だと思っている。
しかしそのこと自体が、圧力に直結しているとは考えていない。
つまりはウエイトトレーニングをして体力がつけば
「抑え込みが強烈になり圧力が増すか」と言うと、そう簡単なものではない。

そこに技術の差がある。

抑え込みには幾つかの要点がある。

1.首や肩など、上半身の一点を固定する
2.つき立ての餅、うどんを捏ねるように圧する
3.逃げる方向を予測して変化する


横四方固を例にして説明する。
ブラジリアン柔術でいえばサイドポジションと考えて欲しい。

1.抑え込みの定義として、背中や肩を畳に着かせていなくてはならないので、
足三角などを除いては上半身を固定する。
ただ乗りかかるだけの抑え込みは、これが欠けていることが多い。
顔の向きや肩の動きを制限することは、相手の動きを制限することに繋がる。
つまりは逃れる方向を制限するため、抑える方としては応じやすくなる。

2.ある書物には「抑え込みはつきたての餅のように」と極意が書かれており、
20代の私は衝撃を受けたことを今も覚えている。
チカラが入り過ぎてカチカチの状態ではすき間が生じやすく、
相手のチカラを直接受けてしまう。
1.の如く相手の1点を制してしまえば、あとはむしろ力を抜き、
すき間を埋めることに専念すれば良い。
また私は相手をうどん粉としてイメージし、
自分の胸でうどんを捏ねるように圧するようにしている。
要は真上から圧するのではなく、下から擦り上げるようにするのだ。

3.固の形の強化合宿で「そんなに軽々しく動くべきではない」
と言ったのはかつて重量級だった指導者だ。
体格によって得意な投技が違うように、抑込技においても、
ガッチリ抑えたら殆ど動く必要のない重量級と、軽量級では抑え方も異なる。
腰が低い位置にあることは勿論だが、相手の逃げる方向に回り込む準備、
身体のいずれかの部分で相手の鉄砲返しに応じる準備も忘れてはならない。
その際、ひとつの抑込技にこだわる必要はないし、抑込技だけにこだわる必要もない。 (絞技、関節技に繋げれば良い)こだわるべきは「一本をとること」であるべきだろう。

以上、抑込技の要点を3つほど示した。「抑え込みの質」を考えたキッカケは、
名古屋大学とブラジリアン柔術の対抗戦だ。
我々柔術家チームは抑込技で勝つことがなかった一方で、
ほとんどの敗戦は抑込技だった。
ルールが違うから技術が異なるのは当たり前だが、
抑え込み(サイドポジション)の質が上がることはブラジリアン柔術家にとっても
有益なのは間違いないだろう。
難しいことは考えずまず肩のチカラを抜くことから試してほしい。
投技においても巧い選手ほど、力みのない動きをする。
抑込技においても同じことが言えるだろう。

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2014年11月15日 (土)

移動しないエビ

エビで重要なことは後方に移動することではない。
必要な場面で腰の位置を変え、空間を作ったり横向きになることである。

そのためには単に後方へ移動するエビを反復するのではなく、
今回紹介する「移動しないエビ」をオススメする。

ポイントは「対角線上にある2点で身体を支える」ことにある。
これが必要な場面でより早く、大きな動作でエビができるだろう。


またエビを単なる、寝技の補強トレーニングだと思っている現役選手は多い。
なぜそうなるのかといえば、前述の通り。
「どの場面で、どのように使うのか」を説明していないからだ。

実際、私が指導する場面ではエビや腰切りといった基本動作が多く使われる。
是非、以下の反復練習も併せて行って頂きたい。

エビと腰きりを応用した打ち込み(袈裟固編)


エビをつかった打ち込み(横四方固編)

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2014年11月13日 (木)

アジア柔道形選手権大会

昨年の全日本形選手権で私たちはペア結成以後、初めて負けました。

その後2月に行われた強化合宿、及びアジア形代表選考会では勝利し代表権を得たものの、
最終選考会では敗れ、世界の代表は逃しました。
もう私たちの時代が終わったことを感じました。

アジア大会が開催されるタイでは、治安情勢の影響で開催が延期になっていました。
何度か延期を繰り返し、そして11月になり、ようやく開催にこぎ着けることができました。

今回、直前に東京都からの企画でロシア・トムスクを訪問していたこともあり、
ワガママを言って全日本チームとは別便で(ギリギリまで授業をして)タイに向かいました。

ロシアでは最低で-20℃の世界でした。
日本も冬とはいかないまでも、朝晩は寒さを感じる季節になりました。
そこから真夏のタイに行ったものですから大会当日は一日中頭が痛く、
暑さにやられてしまったようです。

さて抽選の結果、演技は1番最初でした。
おそらくは採点競技として最悪の順番です。
各技を10点満点で採点していきますから、11点、12点という採点はあり得ません。
最初の演技者で高い点を出すと、以降の演技で高止まりしてしまうため、
最初は抑えめに採点するのが採点者の心理です。
そういった意味では、最も不利な順番だったと言えます。
つまりは「運も実力のうち」ということになります。

しかし負けるわけにはいきません。
どんな演技だったかは動画で判断してください。

横四方固めの際、私の右膝が滑ってしまうなど、
若干のミスはありましたが、ほぼベストな演技ができました。
久しぶりの形競技だったので、ずいぶんと緊張し、汗をかきました。
おそらくは暑さのせいだけでは無いと思います。

採点競技の怖いところは、結果が出るまで何が起こるか分からないところ。
自分でベストと思っても、どんな減点をされているか分かりません。
1番最初だったのでひたすら他の演技が終わるのを見続け、
集計を待ち、そしてポンッと画面に結果が表示されました。
2014

お陰様で優勝することができ、やった!
というよりは安堵したという方が大きかったと思います。
結果的に、全日本チームは全種目制覇を達成しました。

2014_3 2014_4

さて最後にご報告いたします。
今回の挑戦で私たちペアは解散します。
私自身は「形競技から引退」します。

形競技に出会って、柔道家としての視野がずいぶんと広がりました。
これまでご指導頂いた先生方、応援して頂いた皆様、共に演じてくれた髙野先輩
ありがとうございました。

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2014年11月 2日 (日)

テッポウ返し

国際ルールにおいて、2014年から正式に「抑え込みが20秒で一本」となった。
30秒から25秒、20秒と短縮されてきた抑え込みは今後も短縮される可能性を否定できない。

あくまで私見だが、現在、固技は寝際を重視したシンプルな技術が流行している。
それほど練られていないと思われるような技術であっても一本に繋がるのは、
逃れる技術もまた練られていないためだろう。

その背景には、下半身への攻撃を一切禁止するといった急なルール改正により、
攻撃の糸口を固技に見いだすしかなかった苦しい懐事情も窺える。

ところで、私は抑込技を指導する際「テッポウ返し」の打ち込みを欠かさない。
受講者は「逃げ方よりも抑え方」を欲するのだが、それには訳がある。

前述の通り、抑え込み時間が短縮され、未熟な抑込技でも一本が取れるようになった。
これは逃れる技術も未熟であることが原因であると考えられる。
だからこそ、鉄砲返し(逃れ方)を学ぶのだ。

抑えては返され、返して抑え込む。

 

なんども繰り返す中で、抑え込む際に不可欠な重心の位置、
返されてしまう方向を身体で覚えるのだ。
結果的に抑込技の安定感は向上するだろう。

ところで「テッポウ返し」の語源とは何だろう?
美味しそうに見えて軽く食いつくと痛い目に遭う「ふぐのテッポウ」が由来という説
返そうとする様がそのまま鉄砲(テッポウ)を握ったような体勢だからという説
それぞれあるが、明快な答えはまだない。

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