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2013年11月

2013年11月14日 (木)

抑え込み20秒で一本(エビを使った打ち込み)

どうやら国際ルールで試行されている新ルールが正式に導入される見通しだ。
今回の改正は「しっかり組み合って一本を競い合う」「ジャケットレスリングからの脱却」
というテーマをこれまで以上に強く推進した、競技色の強い改正だ。

他方で、個人的には鉄板だと思われたレスリングが、五輪種目から除外される危機に直面した。当然ながら柔道も安泰ではない。
五輪種目として生き残るためには観る側、やる側にも配慮した「進化」をしていかなくてはならないのだろう。

その改正の中で、私の知る限りでは特に深い議論をされることもなく、
言わばすんなりと「抑え込み一本の時間が5秒短縮された」
つまりは20秒で一本となる。

今や殆どの大会で扱われなくなってしまったが、講道館ルールとの差は10秒と拡がった。
講道館ルールでは20秒で「有効」となる技が、国際ルールでは「一本」となるのだ。
これが投技の評価だったら一大事だ。一本の価値基準が下がったのだから。

私はもっと慎重に議論する必要があったのではないかと考える。
しかしながら柔道において投技と固技の比率は5:5「車の両輪」というのは建前で、
明らかに主と従の関係で成り立っている。
文句ではない。
そもそもが「投技主体の競技」なのだ。
もっと言えば、やる側も、運営する側も、固技に興味があるのは少数派なのだ。

この「抑え込みの5秒短縮」には次のような要因があると考える。

主要因は「逃げる技術の低下」だ。
取る側の固技技術は、日進月歩、進化している。
私が現役時代には考えもつかなかった「腹包み(SRT)」なる技術や、
自ら後転して抑える「加藤スペシャル(阿蘇返し)」も流行し、一世を風靡した。
反則かどうかの問題は別として裾を利用した絞技、通称「ゲルビーチョーク」でイスラエルの選手が世界を制した。

一方で、抑え込みから逃れる技術には殆ど変化がない。
これはらエビやテッポウ返しといった基本的な体捌きを要するものだが、
これらがしっかり出来る選手は思いの外、少ない。
基礎が出来ていないので最初の数秒、力任せに暴れてみてダメなら諦める。
諦めるから攻防がない。
攻防がないからつまらない。
つまらないから短縮。
という経緯ではないだろうか。

そしてメディアやなど、提供する側(IJF)、観る側はつまらない展開は許さない。
だからこその「5秒短縮」だろうか。
私はこの先、更に短縮されるのではないかと予想している。

前置きが随分長くなってしまったが、本題に入る。
抑える固める技術はもちろん大切だが、当然、逃げる技術も不可欠だ。
大事な五輪の場面で、抑え込みの逃げ方1つ出来ていればと後悔した選手もいただろう。

必要な体捌きは「エビ」「腰切り」に殆ど集約できる。
これらの動作は、練習前のアップ代わりに行われることが多く、
しかしそれを実戦でどのように行えば良いのか、分かっていない選手が多い。
そこで今回、2つの打ち込みを紹介する。
下のものはエビを使って、空間を作り、ヒザをねじ込む動作を繰り返す。
上のものは腰切りなどで左右に体を捌き抑え込む。

エビと腰きりを応用した打ち込み(袈裟固編)

エビをつかった打ち込み(横四方固編)

余談ではあるが、私は中学3年生の関東大会で、後に後輩となる生田選手に
抑え込まれて一本負けして以降、約20年以上抑え込みで負けたことがない。
それはまず「亀にならず寝技で組み負けない」ことを徹底しているのと、
「エビ」や「テッポウ返し」が身体に染みついているからに他ならない。
これらの体捌きは足立3中時代、恩師から徹底して鍛えられたものだ。

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