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2012年12月19日 (水)

競技の違いを生かす

今年2回、佐賀県の基山で行われたブラジリアン柔術(以下、柔術)の大会に参加してきました。
その動画をアップいたします。対戦相手と結果は以下の通りです。

5 月:塚田市太郎選手(一本勝ち:腕挫十字固)
12月:江端講平選手(一本勝ち:腕挫十字固)

※いずれもアダルト黒帯無差別級で行われました

この2試合は関連しているところもあり、まとめて掲載させて頂きました。
まず柔道と柔術の違いを大まかに書いてみます。

  • 投技や「抑え込み」だけでは一本勝ちにならない、絞技か関節技が極まるまで行う
  • 寝姿勢への引き込みが認められている
  • 柔術は試合時間が柔道の倍で10分、「待て」の制限も少ない

これに対して私の長所は「寝際の移行が早い」「極めが強い」という点でしょうか。
極めが強いというよりは、最初からポイント勝ちをする気が無い、もっと言えば
ポイントの失点も気にしていない「勝つなら一本、取れなきゃ負け」というスタイルなので、
当然かもしれません。

逆に、柔道ではあまりない柔術特有の足捌き(ガードワーク)の対処は得意としていません。
柔道では時間がかかれば即「待て」なので、そういった場面が少ないのです。
また時間が長引けば老化に伴う体力の低下と相まって、グダグダになることは必至です。

そしてもう一つ私が心がけていること、それは「柔術の試合で柔道をやる」という点です。
もちろんルールは柔術、でも自分のスタイルは一切崩さないという意味です。

これは柔道の経験によるモノなのですが、外国人選手でも日本的なオーソドックス柔道をする選手がいます。
彼らは目を見張るような素晴らしい一本を取る一方で、日本人選手には軽く一蹴されることがあります。
それは日本的な柔道スタイルは、日本人が一番合っているからだと思います。
逆に、柔道はうまくないけどレスリングやサンボ、チタオバなどの他競技選手が、
いちいちルールも気にせず自分たちのスタイルを貫いてきたときのやりにくさと言ったら
尋常ではありませんでした。
だからこそ私は、柔術の試合では柔道をするように心がけているのです。

そしてこの2試合のポイントは前述の通り「移行の早さ」です。
とかく柔術では「待て」の場面も少なく、時間も十分にあることから
じっくりと時間をかけて体勢を作り、着実にサブミッションを狙います。
柔術家にとってはそれが当たり前だと思います。
だからこそ逆をやりました。セオリーにない動きは反応が難しいですから。

相手の足を超えた瞬間、または投げた瞬間、間髪入れず腕挫十字固を極めました。
若干雑ではありますが、スピードが最重要です。
その点はとっさの判断ではなく、いつも言うように「打ち込み(反復)」の成果です。
打ち込みで練り上げることによって、技は正確性と早さが身につくのだと思います。

下段の動画(江端選手との試合)では、足車のつもりで掛けています。
大外刈のように力強く刈ってしまうと、体勢が崩れてしまうので
下がり際に合わせて足をあてるだけに留めています。
どちらにせよ、現役時代、柔道の試合では一切できなかった技術です。。。

指導者視点でいえば、立技を得意とする選手ほど「投げた後に膝で制する」動作
しっかり行ってほしいという点です。これさえやれば、投げきる動作にも繋がり、
固技へも移行しやすくなります。昔の「浮固」とはこの動作だったそうです。


補足になりますが、この試合は無差別級で行われました。
最近だらしなく太っている私に対し、彼らとは見た目以上に体重差がありました。
またそんな中、非常に高度な技術で翻弄され、私としてはとっさのワンチャンスをモノにしたというような試合でした。
きっと彼らのようなアスリートが、日本の柔術界を背負い、日本の柔術を世界基準に
押し上げていくのだと思います。

最後に、大会開催にあたり運営や審判で奔走して頂いた井手さんはじめ、パラエストラなかがわの皆さん、主催したエジソンさん、生田さんに厚く御礼申し上げます。

これでようやく、のんびり年が越せそうです。

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