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2011年6月17日 (金)

2011世界柔道形選手権大会を終えて

「今回優勝すれば自分たちの時代になる」

昨年の優勝は勢いとビギナーズラックだと思っていた私達は、
自分たちの実力を確固たるものにするために、
今回だけは絶対に負けられないと、選考会から必勝の心構えで臨んできました。

また出発当日の朝、担任をするクラスの生徒からは激励の寄せ書きをもらいました。
それまで、「良い成績が残せるように」とか、「ベストを尽くします」という表現しか
使わないようにしていましたが、思わず『先生は必ず金メダルを持って帰るからな!』
と宣言してしまいました。またひとつ、負けられない理由が増えてしまいました。
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14日の大会当日まで、現地では2日間の調整期間がありましたが、
地元の綺麗な道場を拝借することができました。

調整練習とえば、私達には一貫した考え方があります。
それは「本番に勝る演技を練習では出せない」ということです。
練習は練習でしかありません。
もちろん、練習では本番に近い集中力をもとめますが、それ故に毎回1回だけしか演技しません。
それはやり直しができない、本番を想定してのことです。
実際、本番での高野先輩の逃げようとする力は、練習のそれとは比較にならないほど速く、力強いです。

今回もそれは徹底していました。
おそらく今回出場したペアでは唯一ではないでしょうか?
私達は大会当日、自分たちの演技まで、一度も組み合っていません。
普通、大会当日ともなれば本番までに一度は通し稽古をするものです。
しかし私達は、それすらもしませんでした。
決勝戦前などは、直前までそれぞれが別々の場所でウォーミングアップをしていて、周囲を心配させたほどです。

集中力を極限まで高め、攻防の一体を魅せる。
高野先輩は大会後、こう言っていました。
「形とはいえ真剣勝負、小室の抑え込みを返してやるぐらいに思っていた」
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それでも私は逃がしません。
だからこそどこよりも力強く、迫力のある演技を魅せることができるのです。
ある観客が言っていました。
「小室・高野ペアだけだよね、本気で絞めて、極めているのは」
そうなんです。形の演技だからこそ、形(カタチ)だけでは魅せる演技はできないのです。

そして本番。
今回は昨年のようなトラブル(私が一瞬、我を忘れてしまう)はありませんでした。

唯一、決勝戦の演技中、上四方固に入る際、高野先輩を見ると首筋に縮れた毛が一本張り付いていました。
誰の縮れ毛か、なぜそんなところに張り付いていたのか、全く分かりませんが、思わず心の中で
「先輩、勘弁してくださいよ・・・」と呟いていました。
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そんなトラブル(?)は全く気にせず、予選はもちろん、決勝も最高の演技をすることができました。
今回は全てにおいて「キレ」を発揮して魅せることが出来たのではないかと思います。

昨年は代表合宿の頃から「中橋の達の演技は~」と先代チャンピオンの演技と比較され、
それを追従するように指導されてきました。

それに対し、高野先輩は「中橋達は受け(防御)を魅せていた、俺たちは小室の取り(攻撃)で魅せる」
と方向性の違いを固持してきました。
今回2連覇を達成し、気付いてみれば「中橋達は~」という言葉は全く言われなくなっていました。
それはつまり「自分たちの時代になった」このとの証明ではないでしょうか。

これからの自分たちは、ペア結成以来、演技会・選考会で一度も負けていない連勝記録(9連勝)をどこまでも続けていくこと、
それと「地味で面白くない」と言われ、7種の形の中で唯一、大会等で殆ど演技されることのない
「固の形」のイメージを払拭することにあると思います。
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今回は8/28(日)東京武道館で開催されるアジアネット(東京都主催の高校生国際大会)で披露させていただける機会を得ました。
試合と共に、どうかご観覧下さい。

最後になりましたが、今回、都市大付属の教職員及び生徒の多大なるご理解とご支援のもとで出場させていただきました。
ここに厚く御礼申し上げます。
またご指導いただいた小志田先生、福島先生、そしてドン松井監督、
そして最高の受けを演じてくれた高野先輩には深く感謝いたします。
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コメント

縮れ毛のくだりは身に覚えはありません…

投稿: たかの | 2011年6月18日 (土) 21時11分

>たかの
肩固の時、僕のですかね?
自分のだったらスイマセンm(_ _)m
いま見返しても、中々の演技だったようで、
特に抑込技は、何度か自分の体が浮き上がっていましたよ!

投稿: 小室宏二 | 2011年6月18日 (土) 21時34分

『昨年は代表合宿の頃から「中橋の達の演技は~」と先代チャンピオンの演技と比較され、それを追従するように指導されてきました。』

誤解を恐れずに言えば、このくだりは指導する側も実はよくわかってなかったんじゃないかという気がしてます。「頼むから冒険するなよ!」ってことだったんじゃないかなと。

なんか、代表にしてこれかと思うとちょっと残念です。

自分達のやり方を世界に認めさせての優勝、これにこそ価値があると思います。まことにおめでとうございます。

投稿: ターミゲーハー | 2011年6月22日 (水) 15時45分

>ターミゲーハー
中々鋭い指摘ですね!
ただ先生方もココを見ているのでコメントがしにくいです(ToT)
ただ今回、自分たちが世界基準だってことを証明できたので、
今度は他国が追従してくるのは間違いないですね。
イランは高野先輩の逃げ方を完全にコピーしていましたから。

投稿: 小室宏二 | 2011年6月22日 (水) 23時49分

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