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2010年6月11日 (金)

全日本実業団(後編)

3回戦 関西医療学園戦

3回戦ともなると、チームも次第に淘汰され、厳しい戦いになっていきました。
試合も連続するようになり、スタミナ配分も重要な戦術になってきます。

先鋒の伊藤は、これまでの汚名を返上すべく気合いの入った試合を展開し、
有効、技ありを奪って優勢勝ち。この1勝が結果的に我がチームの決定打となりました。

試合前、関西医療はオーダーを変更した。
高橋「向こうは次鋒を代えてきたぞ、軽量級が入ったから絶対に取ってこいよ!」

相手が誰であれ、ここからの勝負は次鋒の僕と、中堅・田崎が取りに行くしかない。
相手が軽量級であれば尚のこと、一本勝ちしなければならない!

そして試合開始、相手は20歳の重量級。高橋はなんのデータを教えてきたのか、意味が分からない。若く勢いのある重量級選手は、積極的に奥襟を持とうと前に出てきます。
奥襟を持たれては、一気に巻き込まれてしまうので、必死で捌きます。

ところで、最近の試合では「力を抜く」ということを心掛けています。
スタミナも体力も低下の一途です。
現役時代と同じ動きをしていてはすぐにバテてしまいます。
ある程度のところでは肩の力を抜き、いけるときは一気に極める。
1試合ごとのペース配分もそうですが、
今回は大会全体を通してもペース配分をしました。

試合に戻ります。肩の力を抜くことで、少しだけ、僕の姿勢も良くなっていきます。
姿勢が良くなると投技も決まるようになります。
しかし、何で投げようか?頭の中で決めあぐねていましたが、身体が反応してくれました。相手が僕の奥襟を掴んだ瞬間、前に出ようと重心が迫ってきました。
僕はそれを避けるように横巴で滑り込みます。
一瞬、相手の重さに耐えかねたので、両足で支えます。
すると相手の身体はキレイに弧を描き、畳に背を着けます。
巴投で一本勝ち!チームは序盤2-0でリードを広げます。

あとは老獪な後衛陣、中堅・田崎、副将・高橋が無難に引き分け、チームを勝利に導きます。
大将・針谷は序盤で豪快に一本負け。
しかしこれは、チームのキャプテンとして僕が指示をしました。
この試合の直後、休む間もなくセンコーとの対戦が控えていました。
すでに勝利が決まっている消化試合で、残り少ないスタミナを浪費して欲しくなかったのです。
優しい性格とは裏腹に、勝負事には気の強い針谷、彼の名誉のため一応、書かせてもらいました。

チームはここでベスト16。
別に目指してはいませんが、2部に昇格するベスト8まであと1勝と迫りました。

4回戦 センコー
いよいよ4回戦、センコーの選手は
平均年齢23.1歳、平均体重100kg!
年齢差は10歳、体重差は20kgの大差があります。
足立学園時代、僕らは70kg平均で全国大会に出ていました。
なので体重差はそれほど気にしませんが、今現在は年齢差がとてもきついです。

この相手には120%のチーム力を出し切れなければ勝てません。

ちなみにセンコーは社員さんを動員した大応援団が声援を送っています。

先鋒・伊藤はなんとか失点せずに次に繋げたいところですが、体力負けはいかんともしがたく優勢負け。
伊藤の得意技は変形の肩車だけに、新ルールによって大ダメージを受けたのは
間違いありません。

こうなると僕は勝たなければなりません。引き分けはチームの負けと同じです。
これまで体力を温存してこられた分、残りの試合は気にせず爆発せねばなりません。
そうは言っても相手の鈴木選手は22歳、104kg、東海大出身、そう易々と勝たせてくれません。
むしろ負けそうです。
僕の秘策はマスターズに続いて「内股透かし」です。
「こんな小さいヤツ、一発で仕留めてやるよ」そう思ってくれたらしめたモノです。

しかし、鈴木選手は慎重でした。とても慎重でした。
最初こそ、ガツンと来ましたが、それ以降は組み勝っていても攻めてきません。
僕の方も、寝技は嫌われ、立ち技でも一定の距離をキープされていては
懐に入りきれません。元々、背負投や足技などは下手なのです。

終盤はワザと組ませ、強引にでも内股透かしを狙いましたが不発、
体力の限界まで動き回りましたが、引き分けてしまいました。万事休す!

しかしここで中堅・田崎がポイゲの意地を見せました。
相手が前に出て圧力を掛けてくるところ「切れ味抜群、狙い通りの袖釣込腰(自称)」
で有効を奪い、優勢勝ち。
わざわざ北海道から出てきただけあって、勝負感は抜群です。
足立3中時代も彼は国士舘、弦巻と対戦して必ず勝ってきてくれました。頼もしい男です。

内容では負けていますが1-1の同点に戻した我がチーム。
高橋は「一か八か、一発狙ってくるからな!」と言い残し、試合に臨みます。
メンバーはあまり期待していませんでしたが、一縷の望みを掛けます。

そして序盤、大内刈!

が空を切り、自滅して技あり。そのまま抑え込まれて一本負け。
同時にチームの敗戦も決まりました。

高橋、何がしたかったのか分かりません・・・

つづく針谷も一矢報いようと頑張りましたが、接近戦からの掬投で派手に散りました。
こうして、結果的には1-3でセンコーに敗戦、チームはベスト16となりました。

大会には徳原先生や足立学園の足立先生、またメンバーの家族などが応援に駆けつけてくれました。
また足立学園の先輩方も試合場脇で声援を送ってくれたりと、非常に楽しく試合ができました。
メンバーに代わり、応援していただいた全ての方々に御礼申し上げます。
ありがとうございました。
Sany2893_2 Sany2896

来年は四国での開催という噂です。(情報お持ちの方、投稿お願いします。)
若干1名「四国なら行かない!絶対行かない!」と駄々をこねる人間もいますが・・・
行くか?行っちゃうのか?!

敗戦後、むしろこれからが本番とばかりに牛角に直行!
その後、大谷田明神の湯spaで疲れを癒し、再び焼き鳥「柔」で飲み直し、一日を終わりました。
試合、焼き肉、温泉、焼き鳥と、非常に充実した一日でした。

9/20は東日本実業団(於:講道館)が開催されます。
昨年3位になったことで、2部昇格しましたが、今回は2チーム出場の予定です。
今回は3部優勝を本気で狙います!応援宜しくお願いします。

追伸:今回は相手の段位が低く、昇段用のポイントは一切稼げませんでした。無念sweat02

柔道関節技入門―スペシャリストが明かす奥義のすべて (B・B MOOK 673)

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コメント

早速、ジョン君にリンクをメールしました。
すぐに、Awesome!A very nice yoko-tomoe!
という返事が返ってきました。
横巴は彼の得意技でもあり、乱取でよく重量級を投げてます。
私も是非モノにしたい技です!

投稿: こばコージ | 2010年6月10日 (木) 23時27分

残念だったけど、楽しそうですね!巴見事です!早速、小室さんのDVD見て練習しまーすっ!!
あと、今日道場に行く前に本屋行ったんですけど・・・・すんません。売れてしまったそうですshock
なので、別の本屋にいってきます!!

村上って覚えてますか?

投稿: へたれパパ | 2010年6月11日 (金) 01時35分

>こばコージ
巴投げは重量級にも使いやすいのでお勧めですよ。
ジョンからもメールを戴きました。

>へたれパパ
お、売り切れていましたか。それは嬉しいなぁ。
台湾国際に一緒に行った彼ですかね。懐かしい!

投稿: 小室宏二 | 2010年6月11日 (金) 06時12分

来年は松山になったらしいです。
正確な情報かどうかは確認できていませんが。

投稿: KOKI | 2010年6月11日 (金) 10時55分

>KOKI
そんな情報があるようですね。
早速、飛行機やホテルを検索してしまいました。
道後温泉があるので、良いかもしれません!

投稿: 小室宏二 | 2010年6月11日 (金) 20時57分

こんばんは
様々な舞台でのご活躍おめでとうございます。

やっぱり小室先生の動画は大きい相手と対戦してるものが楽しいです。
「足立殺法」炸裂といいますか・・・

背負い投げについてなのですがもぐりこんだときつま先は立ってるのでしょうか。それとも「正座」のような感じなのでしょうか。
(少し前の教本になりますが岡野功先生の「バイタル柔道」ですと
「必ずつま先を立てるように」と注意がされていますが・・・)

去年の全日本で穴井選手が鈴木選手を投げたときは「正座」式でした。
現在は「正座」式が主流なのでしょか。

投稿: -イオン-ホルモン | 2010年6月15日 (火) 23時34分

>-イオン-ホルモン
僕に投げ技のことを聞いちゃうんですねsweat02
つま先は絶対に立っていた方が良いと思います。
潜ったあとのバネが違いますから。
あの試合ではどうだったか判りませんが、僕の場合、足腰は強い方なので
潜ってから一気に立ち上がりました。
現役時代、足下が不安定なバランスボードの上で、両手に10kgのダンベルを持ち、片足スクワットを20回を数セットやっていましたから。

投稿: 小室宏二 | 2010年6月16日 (水) 05時42分

こんばんわ
小室先生は試合でよく内股を掛けていますが
背の小さい人が内股をかけるには腰を入れるほうがいいのでしょうか
それとも腰を入れずに引き出して足をはね上げるほうがいいのでしょうか

投稿: konect | 2010年6月23日 (水) 23時35分

>konect
どっちでも良いんじゃないですね。
僕のは内股といっても、跳腰に近い理合いです。
これなら小さい人間でも投げることは出来ます。が、限界があります。
「引き出す内股」は透かされたりするなどの失敗も少なく、よっぽど大きい選手でも
投げることが出来ます。ただその分、難易度は高いです。
僕も練習しましたが、全然できませんでした。
以前、こんな記事を書きました。
「廻る内股」
http://komlock.cocolog-nifty.com/5669/2006/06/post-20a6.html

投稿: 小室宏二 | 2010年6月23日 (水) 23時49分

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