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2010年6月 3日 (木)

形と乱取りの融合(IJF世界グランドマスターズ:後編)

決勝:AYVAZOV(RUS) 一本勝ち(合せ技)
いよ いよ最後の試合、そしておそらく最強の難敵です。
いつも以上に力まず、力で対抗しないことを心掛けます。
実際に組んでみると、いとも簡単に組み手を切られてしまいます。
日本でも力が強い人がいますが、その域を更に超えています。
振り回され、組み潰されてしまいます。
寝技に引き込んだら、ひょいっと持ち上げられてしまいました。

何も出来ない・・・・・

反則を受けてしまうのは時間の問題でした。
それでも僕は冷静でした。ただ打つ手がありませんでした。
全く組ませてもらえないのです。
そして浅い内股を連発して技数を稼いできます。

その時・・・・・・

「透かせ!」

高野先輩の声でした。大歓声の中でも、ハッキリと聞こえました。
内股透かしは指導者になって身についた、難易度の高い技術です。
しかし当然ながら、リスクも大きいです。払腰に変化されたら終わりです。
 
しかしもう、ヤルしかありませんでした。
ギリギリまで相手に近寄り、寸前で足を上げてかわします。
 
良い感じで透かすことが出来ましたが、極めが甘く、尻もちを着かせたところで逃げられてしまいました。

最大のチャンスを逃してしまいます。
しかし、組めない以上はもう、これに賭けるしかありません。
 
もう一度、今度は更に危険な位置まで間を詰めます。
小外刈で牽制し、内股には絶好の間合いを作っていきます。危険な賭けでした。
 
今度こそ!
相手の右足が僕の左足を跳ね上げる瞬間、僅かに相手の力を感じながら、
更に大きく足を上げていきます。股関節の柔軟性には自信がありました。
最後、引き手をしっかりと引き、極めなければ意味がありません。
相手は反則負けになりそうなほど、頭を突っ込んでいきます。
しかし僕も大きく崩れてしまいます。
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次の瞬間、僕は片脚で必死に踏ん張り、相手に跨るような体勢で着地します。

「技あり!」

内股透かしは「技あり」と判定されました。
しかし、このチャンスを逃す分けにはいきません。
腕挫腕固の要領で、肘を極めつつ、縦四方固めに極めます。
 
ここで逃がしたら猛反撃をされるのは間違いありません。
このパワーで追い込まれたら堪ったモンではありません。
渾身の力で肘に圧力を掛けます。
 
相手は、スタミナが尽きたのか、あるいは頭を強打したのか、殆ど動くことはなく、
20秒が経過し、「合せ技一本」となりました。
 
まさに起死回生となる内股透かしからの逆転劇。
相手も絶対に勝てるという自信があったのでしょう、悔しがり、なかなか起き上がっては来ません。
 
こうして、僕は形に続き、試合でもshine優勝shineを果たすことができ、
形と乱取り試合の2冠を達成することが出来ました。
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そして今回の決勝も、高野先輩の一言によって救われたのです。
なぜ、あの時「透かせ!」の言葉だけがハッキリと耳に届いたのかは分かりません。
でもハッキリを聞こえました。
あの試合は間違いなく、内股透かしがなければ状況を打破することが出来ませんでした。

こうして、僕のハンガリー遠征での試合は全て終了、その結果は最良のものとなりました。
10年前、ハンガリー国際に出場したときも、袖車絞とコムロックだけで優勝することが出来ました。
ハンガリーは僕にとって相性が良いのかもしれません。
試合後、高野先輩と温泉に行きspaマッサージを受けて疲れを癒しました。
(ハンガリーは温泉が有名なのですspa

最後に試合のダイジェストをどうぞ。
今回は応援に駆けつけてくれた高野先輩のご家族に撮影してもらいました。
「とれぃ!」「じゃぱ~ん!」など(笑)
日の丸ハチマキに、日の丸扇子も掲げ、熱い応援を送っていただきました。
ありがとうございます!

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コメント

動画のBGMがすごいテンションあがりますね♪

決勝戦の相手選手はパワーが凄そうですね!

あの場面で内股透かしとは、本当にすごいです!

1回戦で使っていた背負いなんですが小室先生は右の背負いを使われるんですねー!!

投稿: ナジーム・ハメド | 2010年6月 3日 (木) 21時28分

以心伝心で心が通じ合え、セコンド(?)としても信頼のできる
人が居る、って素晴らしいですよね。私にとっては、ジョン君が
そういう存在です。試合のとき、彼が側に居てくれるだけで、
安心感があります。一度、見当たらなかった時は、とても不安でした。coldsweats02
そして、試合の途中で存在を確認したときの、ホッとした気持ちったら
なかったです!confident

投稿: こばコージ | 2010年6月 3日 (木) 21時53分

僕は1コケしたので悔しくて悔しくて人の試合などみたくもなかったのですが(笑)、ここは先輩(大人)としての義務を果たさなくてはと思い、宮本君のビデオ係とあなたのセコンドには付きました。
でも勝ち上がるうちにそんなことは忘れ、僕も試合に入り込んでいました。
そばで見ていて、試合中の気迫?が僕なんかとはまったく違うと感じました。

投稿: たかの | 2010年6月 4日 (金) 08時58分

優勝おめでとうございます&お疲れ様でした!

試合の動画を拝見させていただきましたが、さすが寝業師ですね!

あと新ルール(脚取り禁止)についてですが、ちょっとつっこんでもよろしいでしょうか?
3:53の小内巻き込みと4:30の内股防御ですが、これは新ルールでも問題ないのでしょうか?新ルールも微妙なところがあるので、ちょっとご意見を聞きたいなぁと思いました。

投稿: ノビタ | 2010年6月 4日 (金) 10時04分

当然試合での駆け引きがあるのは知っていますが・・・。

篠原VSドイエ戦を思い出しました。

2冠達成おめでとうございます。

次は、いよいよ2階級制覇(ボクシングか?)ですかねpunch

投稿: スピードマスター | 2010年6月 4日 (金) 12時34分

>ナジーム・ハメド
superfly結構好きなんだよね。
実は少年時代、最初は右組でした。
でもアレは袖釣込腰の手さばきで入ったんだよ。投げる気無かったけどね(笑)

>こばコージ
ジョンが傍にいてくれたら心強いですよね。
お二人も是非、マスターズに挑戦してみてください。

>たかの
僕も同じ立場だったらイヤだったと思います。
そんな中、付いてくださってありがとうございました。
また来年も挑戦しますか?!

>ノビタ
今回のジャッジは結構大目に見ている雰囲気でしたので、小内巻込は大丈夫だろうと判断して仕掛けました。微妙なラインですね。
その後の、内股防御は一度受けてからなので大丈夫だと思います。

>スピードマスター
81kg級になると恐ろしく体力差があるので無理でしょう。
可能性があるとすればむしろ、本来の66kg級でしょうか。
いやあ、どっちもキツイですね。

投稿: 小室宏二 | 2010年6月 4日 (金) 19時17分

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