東日本実業団 (後編)
学生時代から継続して、僕は毎朝走っています。
現在は通勤に時間がかかるため、朝は45分程度ですが、
朝5時には起きて、出勤しています。
また講道館やB柔術のジムなど、足繁く通っています。
そういう努力があって、32歳の今でもそこそこに勝つことが出来ます。
30歳も超えてしまうと、体力の低下は著しいものがあります。
今回はポイントゲッターとして、かなり追い込んだ稽古をしてきました。
真っ暗になった放課後の校庭でランニングや打ち込みをしたり、
節制して、身体を絞って挑みました。
3回戦:府中刑務所B
たまに本気で聞かれることがありますが、彼らは刑務官です。
腕っ節の強そうな囚人が出場しているわけではありません。
相手の牧選手は24歳、力が強く技も多彩で寝技も巧かったです。
僕にとってはやりにくい相手だと思いましたが、僕が取らねば話になりません。
先程の試合で疲れがありましたが、逆にいい感じで肩の力が抜けています。
力まず、慌てず、自分の動きに身体を任せます。
序盤、巴投げから引き込み、横返しから一気に抑え込みます。
牧選手は力尽きたのか、あっさりと「参った」一本勝ちとなります。
ここまでくると、スタミナがものを言うようになってきます。
中堅、ハリ。
相手は拓殖大学を卒業したばかりの飯塚選手。
運動不足&メタボ気味のハリとは、動きが雲泥の差です。
しかしここでもハリは根性を見せます。
何度も追い詰められルも必死で凌ぎ、値千金の引き分け!
そして大将、正和の登場です。
相手の福岡選手は中央大学出身、なんと170kg!![]()
正和はここでも「一本負けさえしなければチームの勝ち」作戦で、
徹底的に逃げ回ります。
僕は代表戦を想定して、呼吸を整えます。
しかし、福岡選手が再登場した場合、どうやって戦おうか・・・
不安と恐怖と、正和への祈りが頭を駆けめぐります。
頑張って逃げて!正和 (-人-)
祈りが通じたのか福岡選手、大き過ぎるのか正和を追えません。
結局、指導3までもらってしまいますが、無難に試合を終え、
我がチームは内容差で勝利!
3回戦を突破し、準々決勝に駒を進めたのです。
まさか府中刑務所にまで勝てるとは思っていなかった我がチーム、
ハリは「俺、準決勝から本気でイッちゃうよ
」と言い出します。
まずは目前の準々決勝から本気出せ!と突っ込まれます。
準々決勝:建装工業
ここまで来ると、僕らはお祭りムード。いい雰囲気です。
先鋒戦、相手の加藤選手は国際武道大学出身の27歳、
これまで大内返や巴投など、多彩な技で勝利し、チームを引っ張ってきました。
彼は間違いなくポイゲ(ポイントゲッターの略)でした。
つまりこの先鋒戦はポイゲ対決、絶対に負けられない一戦です。
相手は明らかに疲れていました。疲れている相手には寝技です。
しつこく寝技です。
序盤、普段から掛けない背負投で相手を崩し、背後からの袖車絞を狙います。
加藤選手も必死で粘りますが、こればっかりは逃がすわけにはいきません。
肩固がガッチリ極まります。
ここで一本勝ち、先行逃げ切りの必勝パターンが完璧に遂行されます。
ここで調子に乗ったのか、なぜか中堅・ハリまで抑え込んで勝ってしまいます。
早速の2勝でチームの勝利は確定、準決勝進出と共に、メダル獲得圏内に到達しました。
そして正和も地味に優勢勝ちを収め、ここに来て初めて3-0の完全勝利。
まさかの快進撃で僕らは決勝進出を賭け、日本通運と対戦しました。
準決勝:日本通運
日本通運は全員が100kgを超えた選手たちでした。これまでとは迫力が違います。
僕と対戦した森選手は110kgでしたが、動きの良い選手でした。
試合中、なんども払腰で大きく崩されます。
「有効」を宣告されてもおかしくない場面が何度かありました。
僕も負けじと、背負投、巴投、そして寝技で攻めていきます。
しかし相手も寝技は徹底して逃げるので、攻めきれません。
序盤、背後からの袖車絞が入りそうになります。
ハッキリ言って、僕の技で彼に通用しそうなのは袖車絞しかありません。
僕はココだ!という思いで袖車絞を仕掛けます。
あれ?
ちょっと・・・
あ・・・
僕は攻めることが出来ません。
袖車絞を仕掛けようにも、手が届かないのです。
相手の身体が大きすぎて![]()
絶好のチャンスを逃し、袖車絞も完全封鎖されてしまいます。
どうやって攻めるべきか。
僕は冷静になって考えます。
やはり基本に立ち返って、横返しからの抑え込みしかありません。
引き込みの姿勢から、全身の力を駆使して返しますが、
ビア樽のような大きな腹で、再びうっちゃられてしまい、
抑えるには至りませんでした。結局、この日、僕は初めて引き分けてしまいます。
これまで、僕が勝って逃げ切るという作戦で勝ち上がってきた我がチーム、
しかし相手の中堅、大将もこれまで以上に大型でした。
中堅ハリは190cm以上ある相手になんとか頑張りますが、終盤、
払腰から巻き込まれて一本負け。
大将、正和は140kgもある選手に対し、果敢に攻めます。
僕も一縷の望みを掛け、代表戦に備えます。
しかし相手は無難に分けにくるため、攻めきれず引き分け。
結局、僕たちは必勝パターンを崩してしまい、0-1で惜敗しました。
余談ですが、相手選手に試合中「なんだこの柔道はよ
」
みたいなことを言われました。
『あんたも寝技逃げてるじゃん
』と思いました。
年上だし、試合中なので我慢しましたが。
試合後、パンフレットを見たら5歳も年下でした![]()
![]()
絶対に5歳は年上に見えたんだけどな・・・![]()
ともかく、僕らは準決勝で敗退となり、
最終的には
第3位
という結果でした。
とはいえ、全員が32歳の生まれであり、先鋒・大将が70kgちょっとなことを考えれば、
大健闘だったのではないでしょうか?
画像の表情を見ていただければ、満足度は充分分かるかと思います。
軽量級軍団の活躍は、まさに足立魂の真骨頂だったと思います。
今回限りの参加であった予定なんですが、すでに走り込みを始めた選手もいるようです。
これは来年も出ないわけにはいかなくなりました。
そうそう忘れてはならないのが昇段ポイント。
この大会は昇段に関わる大会として認められています。
今回は5試合戦って以下のような戦績でした。
- 鈴木(二段)一本勝ち 0点
- 明先(三段)優勢勝ち 0.3点
- 牧 (三段)一本勝ち 0.3点
- 加藤(三段)一本勝ち 0.3点
- 森 (三段)引き分け 0点
あんなに頑張ったのに、相手の段位が低いため0.9点にとどまりました。
これで合計11.7点貯まりました。16点まであと少し。頑張ります!
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