2015年12月30日 (水)

2015年を振り返る

まもなく2015年も終わろうとしています。
何といっても今年のスタートは「肉離れ」の療養からスタートした
というのが一番大きかったです。約3ヶ月、殆ど動くことができず、
衰え、太り、柔道を始めてから最も「運動をしない期間」を作ってしまいました。
ちなみに瞬間最大体重が81kgを記録してしまいました。

ここから挽回しようと始めたのが「毎月100km・年間1200km走破する」という企画です。
願掛けではないのですが、これ1年やり切ることで何か達成感を得られるのではと考えています。
ただ12月も残り数日ですが、今月はまだ49kmという惨状…さてどうするか?!

また今年も色々な国と地域に指導に行かせてもらいました。
海外ではマカオとポルトガル。
両国の料理は本当に美味しかったですし、手厚く歓迎していただけました。
またここから更に有難い話も頂き、来年も各地に呼んでもらえそうです。
ますます内容の充実、英語力の向上を目指さなければと思っております。

国内では全柔連の少年指導を講道館で、その他、大阪や福岡でセミナーを行いました。
今回も筑波大学の草津合宿に呼んでもらえたので、しっかり寝技を伝え、
学生と山を駆け上ってきました。

定期的なものでは淑徳大学とトライフォース五反田、
それに視覚障害者柔道の合宿に参加しました。
どれも完璧ではありませんが、時間をやりくりしながら、
な るべく多く参加できるようにしてきました。
来年からはもう一ヶ所増えることになりますが、
これについてもしっかり取り組んでいきたいと思います。

試合は高段者大会の2試合でした。内訳は腕挫腕固と大外刈で一本勝ちでした。
内容的には得意の関節技と、練習している足技で投げることができたのは良かっ たです。
特に大外刈は人生初でした。
今後も「小室の意外な投技」を密かに磨いていこうと思います。
ただ年間2試合は柔道を始めてから年間最少です。
私自身 のモチベーションもかなり停滞してしまいました。
程よい緊張感というのはやはり必要かもしれません。
来年はもう少し挑戦していこうと思います。

 

結婚6年目となった我が家族は今年も「ほぼ円満」でした。
巴は少し柔道ぽいことを始め、私と2人きりでも過ごせるようになってきました。
ケガもなく、病気もなく、嫁ロックとともにモリモリ成長しています。

ただ私の親父は体調を崩し、手術をしました。
親父が生きてるうちに一度だけでも、巴に宝寿司を食べさせたい。
最近の身近な夢です。

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最後に、小室の今年1年を漢字で表します。今年は

【 穏 】

にしたいと思います。起伏の少ない、ひたすら穏やかな1年だったと思います。
平穏もまた幸せの証拠だと思います。

来年もまた家族を大切に、仕事と柔道に勤しんでいきたいと思います。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。

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2015年10月15日 (木)

十字固めの打ち込み(スイッチ式)

拙著では「寝技の打ち込み・腕挫十字固(カナダ式)」と紹介している技術です。
なぜカナダ?と思われるので今回は「スイッチ」と表現しました。
この打ち込みはバンクーバーに行ったとき、
カナダ人指導者のスティーブ先生から教えてもらいました。

十字固を施す際、上手くできない人ほど腰高でスキマができてしまいます。
逆に私は稽古相手から「密着度が高い」と言われます。
立技には「間合い」があり、そこに崩しがあります。
寝技にも「間合い」があり、この場合は密着している(スキマが無い)ほど良いです。

手捌きだけ誤らないようにし、あとは受取で1点ずつ注意して取り組むようにしてください。
この打ち込みができるようになれば、密着度が高まり、逃れられにくい十字固ができるようになるでしょう。

1.腰の低い位置を保つ
2.受は相手を引き起こして助ける

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2015年10月12日 (月)

関節技の技術紹介

私の高校時代、関節技は禁止でした。
禁止というのは校内限定のルールです。
なぜ禁止かというと、抑込技や絞技は連続性がある反面、
関節技は失敗すると形勢逆転してしまうことが多いからです。

技術を2つに絞ることで、抑込技の基礎と絞技が徹底されました。
しかし、全くやらないとそれはそれで不便です。
ジャンケンで例えるところの「グー無し」でやっているようなものです。
それぞれの技術には特徴があり、それぞれをバランスよく身につけることで
攻撃の連続性、多様性が育まれるのだと思います。

私が関節技に取り組み始めたのは大学4年生の夏頃からです。
それまでは関節技を狙うことはもちろん、防御法もよく分かっていませんでした。
どこで誰に教わるということもないので、ひたすら自分で考えました。
ブラジリアン柔術に取り組み始めたきかっけも、当初はそれが目的でした。

柔道には投技に比べると、固技の指導法があまり普及していません。
関節技は特に単独の技術として普及しているものはありますが、
順を追ってステップアップしていく方法がありません。

そんな理由から、試験的に関節技の技術、打ち込み方法を紹介していきます。
現在は単発ですが、いずれは系統立ててまとめていこうと思います。






柔道・関節技入門(全14本)連続して視聴することができます

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2015年1月 9日 (金)

2014年を振り返る

あっという間に冬休みが終わり、総括をする前に年を跨いでしまいました。
昨年後半から突如としてブログを更新するようになりました。
指導者として何かと思いつくことが多くなり、言葉としてまとめ、
伝えていくことも必要だと感じた次第です。

さて、まずは2014年を振り返ってみたいと思います。

六段に昇段する
ここ数年来「六段」を目標に掲げていました。
数年躓いてしまいましたが、やっとのことで無事に段位証を頂くことができました。
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アジア形で3度目の優勝そして引退

2月と5月に行われた強化合宿において、アジアの代表権は勝ち取ることができたモノの、
世界選手権の選考には外れてしまいました。
それによってアジアを最後に引退することを決意しました。
大会ではまさかの「演技順一番最初」というアンラッキーもありましたが、
なんとか優勝をすることができました。
これをもちまして、私は形競技者としての引退となりました。
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●乱取り試合
今年は3種の大会に出場しました。
高段者大会(全国・東京)
全日本実業団(3部・つくばユナイテッド)
全国教員大会(先鋒73kg級)

六段デビュー戦は引き分け、完全に組み伏せられてしまいました。
実業団では同級生チームが解散したので、出る予定はなかったのですが
つくばユナイテッド(筑波大学OBチーム)から声が掛かりました。
後輩達と楽しく柔道ができました。
このときの「内股すかし」が私にとっては2014年のベスト一本ですね。


教員大会では久しぶりに投げられました。
今年から教員仲間になった小倉君と対戦できたことは、今思い出しても感慨深いです。
そして数年ぶりに試合で負け、チームも負けてしまいました。
これで終わりにするつもりでしたが、負けたまま終わりたくないというのが本音です。
いつ声が掛かってもベストな状態で挑めるよう、準備だけはしておこうと思います。

●出張指導

2014年も各所で指導をさせて頂きました。
定期的なもの以外では、名古屋のLIVE柔道、視覚障害者柔道の合宿、
マカオBJJ、ロシア・トムスク、岩手県久慈市、静岡県、
全日本の強化合宿でも指導をさせて頂きました。

指導の中でも気づくことの多かった1年で、指導の進め方も少しずつ変化していきました。
ルールも変わり、選手の技術も変化していく中で、私の指導法が取り残されないよう
日々進化する必要を強く感じた1年でもありました。

●肉離れ
ここで無事に1年を締めくくっていれば良かったのですが、
12/8に右足ふくらはぎの肉離れを発症してしまいました。
そして12/21に再び発症。
皮膚が裂けてしまうのでは?と思うほどぱんぱんに腫れ上がり、
1週間以上、痛み止めを飲むほどの痛みに悩まされました。
現在、受傷後1ヶ月が経ち、松葉杖なしでも歩けるようになりました。
しかし再々受傷はありえないので、しっかり治してから稽古に復帰しようと思います。
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さて2014年を総括すると、それほど大きなイベントはありませんでしたが、
一つの契機であったことは間違いありません。

形の競技から離れ、競技柔道から離れ、より指導へとシフトしていきました。
また年末には人生でも最も大きな怪我「肉離れ」を受傷しました。

武芸には「守破離」という思想があります。
師匠の教えを守り
既存の形を破る
そして自分自身の境地を開拓する(離れる)
ちょうど私もそんな「離」の時期に達したのかもしれません。

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そんなわけで2014年を表す感じは「」とします。
決して「肉離れ」の一点で思いついたわけではありません。
「守破離」の「」ですので誤解無く。

最後に、家庭も「ほぼ円満」で巴もすくすくと成長しております。
仕事も家族も大切に、バランスよく頑張っていこうと思います。

2015年も宜しくお願いいたします。

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2014年12月22日 (月)

2014静岡県小学生寝技教室

何かと縁のある静岡県、今回で3回目となりました静岡県柔道連盟主催の
寝技教室を行ってきました。対象は小学生300人と指導者の皆さんです。

主催者側より「基本を徹底に」ということで、エビと腰キリ、
引き込みからの足捌き、体捌きを指導しました。
流行の技よりも、中高生になっても生きる体捌きをと言うことで
「寝技の体捌きを身につけるための打ち込み」をじっくりやらせて頂きました。

後半の質疑応答では沢山の質問があり、
最後に杉山先生と「固の形」を演じさせて頂きました。

今回、右足ふくらはぎを負傷中ということもあり「絞技・関節技の披露」
は次回以降に持ち越しとさせて頂きました。
また来年もと言うことでしたので、来年はもっと踏み込んだ内容でご紹介したいと思います。

指導者の皆様、運営に携わった先生方、
打ち上げを企画して頂いた皆様、ありがとうございました!
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2014年12月 9日 (火)

技を作るのは打ち込み

ジュニア強化選手時代、合宿では散々打ち込みをした。

コーチ曰く「技を作るのは打ち込み」とのこと。

私自身、投技が苦手だったため試行錯誤しながら必死になって打ち込みをした。
打ち込みは決して、準備運動の一環ではない。

まずは理に適った動きで、早く、力強く
それを身体が覚えるまで繰り返し反復するのだ。
(いい加減な打ち込みをするなら、変な癖がつくのでやらない方が良い)

さらには喧嘩四つ、相四つ、動きながら、複数の技を組み合わせ、
また相手の技に応じて等、バリエーションを豊富にしていく。

それは寝技でも同じことだ。
なぜか寝技の打ち込みは大ざっぱ数回しか行われない。
投技の打ち込み100回くらい誰でも行っているが、
寝技は10回行わない日もあるのではないだろうか?

寝技の打ち込みでも大切なのは立ち技と同じだ。
正確に、早く、力強く、そしてバリエーションを豊富にする。

技術が身についていないウチは乱取りなんて少しで良い。
様々な状況を設定し、バリエーションを豊富にする。是非そこに腐心して欲しい。
必ずしも寝技の打ち込みを寝姿勢から行う必要は無い。
言わずもがな、柔道は立ち姿勢から始まるからだ。

最近私はこう考えている。

  1. 理合いを学ぶのが「形」
  2. 技を練るのが「打ち込み」
  3. 技の乱れを取るのが「乱取り」

嘉納師範が講道館柔道を創設後、普及するにしたがって直接指導する機会が減ったという。
そこで効率的に技の理合いを伝える術として「形」の指導が行われた。
「形」には技の理合いが凝縮されている。
「固の形」をしっかり演じることができれば、それはすでに相当な技量を有していると言っても過言ではない。

形の所作を省略(簡略化)したのが「打ち込み」とも言える。
「形」で理解し、「打ち込み」で身体に染みこませる。

現在の稽古は「乱取り」に偏向しているように思う。
もう一度、打ち込みと形を見直して頂きたい。




余談だが、最近、私が指導のテーマにしているのが「寝技の打ち込み」だ。
特定の「スペシャルな技」ではなく、必要な『体捌きを身につける打ち込み』を
考案している。

なぜそんな動き方をするのだ、なぜそこでこう動けないのだ?
自分にできて、選手にできない動きとは何なのか?
テーマを与えてくれるのは選手や、生徒たちだ。

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